美術の扉
「ルネサンス♪」
誰もが耳にしたことがある言葉だと思いますが、どういう意味だか知っていますか?

ルネサンスとは「再生・復活」という意味です。
では何からの「再生・復活」なのか?

あらすじでお話ししましたが、ルネサンスの前の時代のことを中世時代と言います。
そしてこの中世のもっと前にあるのがローマ時代、そしてギリシャ時代です。(古典古代の時代)
この中世という時代はかつて暗黒時代とも言われ、神様(キリスト)が一番で人間は取るに足らないものという考えでした。
なのでこの時代の美術は、キリスト教美術一色で神中心です。
キリスト教への信仰を建築物や祈祷書に込めた時代であり、美術は神の世界を讃えることが目的でした。
つまり人間の体を美しく描こうという考え方よりも、キリスト教の教えを象徴する約束事が重視されたのです。
そのため絵画は宗教画ばかりが描かれ、現代に残るこの時代の美術は絵画よりも建築の方が有名です。
この中世時代におきた歴史のキーワードをいくつか挙げてみました。
そしてこの後くる【ルネサンス】は、このあまりに神中心だった中世を抜け出し、人間が華々しく生きていたギリシャ・ローマ時代を研究して輝かしい人間性の「再生・復活」という意味です。
イタリアから始まる人間を賛美する芸術の時代の到来です。

そしてギリシャ・ローマ時代を超えるために、幾何学や遠近図法、解剖学などの科学も研究されました。
美の古典ギリシア、ローマをお手本にして、よりハイレベルを目指す。
ルネサンスの目的は、古典をただ模倣するのではなく、それ以上のものをつくりだそうとすることでした。

プレ・ルネサンス
この画家ジォットが、西洋美術史において「絵画の時代」の出発点です!
なぜかというと、初めて絵の中に感情を吹き込んだ画家だからです。

ルネサンス以前の宗教画と比較すると分かりますが、ジョットはそれまで無表情だった人物の顔に生き生きとした人間らしさを与えました。
ルネサンス以前の建築主体の芸術から、ルネサンス以降画家主体の芸術へと移り変わります。
ちなみにこのテーマの「ユダの接吻」とは、新約聖書の一場面です。

そして初期ルネサンスの代表作が、サンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」です。
ギリシャ神話がテーマです。
あれヴィーナスも神だけど?と一瞬思いますが、ここで言う神とはキリストのことです。

初期ルネサンスはイタリアのフィレンツェで開花しました。
その後16世紀に入るとイタリア美術の中心は強力な教皇の現れたローマと、海上貿易によって富を蓄えたヴェネツィアへと移っていきます。