美術を好きになったきっかけ
- 悠
- 1月8日
- 読了時間: 3分
理系だった私が美術と世界史にハマったのは22歳の夏、母と行ったスペイン旅行がきっかけです。
高校生の時に世界史のテストでクラスの最低点を取る程世界史が苦手で興味がなかった私が、こんなに世界史を好きになるなんて当時からしたら本当に驚きです。
スペイン旅行に行く前までは美術の知識も世界史の知識もほぼゼロでした。
母が誘ってくれたので行くことになり、何も分からずにガイドブックを読み込んで行きました。
そして初めて訪れたスペインで世界4大絵画のうちの2つを鑑賞しました。
一つはプラド美術館にあるベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」という絵で、とても有名なので見れば知っている人も多いと思います。
そしてもう一つはトレドという街のサント・トメ教会にあるエル・グレコの「オルガス伯の埋葬」という祭壇画です。
そしてこのスペイン旅行で一番私の心を掴んだのは、アルハンブラ宮殿です。
当時のガイドさんが「レコンキスタ」という言葉を何度も口にしており、世界史においてとても重要な出来事だと熱く語っていましたが、当時の私には何のことだが全く分かりませんでした。
「レコンキスタ」とはキリスト教徒の「国土回復運動」のことで当時イスラム教徒に支配されていたイベリア半島をキリスト教徒が取り返しにいく運動です。
そして最後の陥落地がこのアルハンブラ宮殿があるグラナダでした。
1492年、この場所でナスル朝が滅ぼされ、レコンキスタが完了します。
しかしこの宮殿には今でもイスラムの文化が残されています。
敵対していたはずなのに、あまりにも美しいイスラム建築の装飾を壊すことができなかったのです。
ここを訪れた当時(2014年)は、イスラム国がニュースにたくさん出てきた時期だったので、このイスラムとキリストの文化が溶け合う宮殿は本当にすごい場所だと思いました。
今でも私が一番心惹かれる宮殿です。
この写真の場所はライオンの中庭と呼ばれ、アルハンブラ宮殿の中で一番人気の撮影スポットです。

以上のことをまとめると、全く知識のなかった私がスペイン旅行へ行き世界4大絵画のうち2つを鑑賞した経験とアルハンブラ宮殿を訪れたことが美術と世界史にハマったきっかけです。
「何なのか良く分からないけどすごいものを見た」「それが何だったのか知りたい」と思い、日本に帰ってきて調べ始めそこから美術と世界史の楽しさにどっぷりとハマってしまい人生が変わりました。
知っているものを見に行くのもとても感動しますが、後から調べてそれが何だったのか分かる瞬間もとても心が踊らされる瞬間です。
絵画は世界史、聖書、ギリシャ神話なども大きく関わっているので、知れば知るほど深みが増していきます。
点で覚えてきたことが線で繋がる瞬間が大好きです。
美術は私の心にときめきと感動とものすごい勢いの知的好奇心を与えてくれます。
美術の楽しさをみんなに伝える仕事がしたいと思いこのホームページの原型を作ったのは今から8年も前の大学生の時です。
このブログの内容を書いたのも何年も前で、今初公開に向けて再編集しています。
時を経て私は今年の夏で美術に出会って10周年を迎えます。
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